音楽と大切なひと

今日はわたしの所属する軽音楽部の一大イベントがあった。定期演奏会という名前がついたライブ。バンドは1年で組み替わるから、いっぱいのお客さんにお披露目できるのは最後になるライブ。沢山あるバンドのほとんどが、ここを最大のゴールとして、1年間必死で頑張る。わたしたちのバンドもその1つで、何とか出られることが決まった。

せっかくだから、普段呼ばない家族とか友達とか、そんな人に見てもらいたかったけど、恥ずかしくてそんなに沢山は誘えなかったし、そうやって誘った人たちも急な話でみんなやっぱり忙しくって、行くって返事をくれたのは友達数人だった。

そして迎えた本番。出番の少し前に、行けないって言ってたママの妹のちえちゃんからLINEが来た。

「最後やから仕事抜けれたら観にいくね。」

「え、来れそうなん?」

「ママの代わりに観に行かないと。」

ちえちゃんから連絡が来るまでは、何となく、みんなに見て欲しいなって感覚だったけど、これを見た瞬間、ああ、私は大事だって思う人に最後の演奏を見て欲しかったのかもしれないなと思った。

私は中3の頃から軽音を始めて、それからずっと忙しく部活だ部活だって音楽をやってきた。部活ばっかりで疲れて家でだらしなくなったり、勉強しないでいたりして、ママにはよく怒られてたけど、そんな風に怒りながらもいつも、「せりちゃんが世界で1番可愛くて誰よりもベースが上手」って信じて疑わず、観に来てくれたのはいつもママだったなあって思い出して、親バカのフィルターがあるからってだけじゃなくて本当に頑張って前より上手になったところ、ママに観てもらいたかったなって舞台裏ですごい泣いてしまった。ママが見にきてた頃は平気でチューニング半音ズレてたりしたもん。

音楽ばっかりやってきた後悔っていうのもものすごくあって…ママは中3の時に癌が再発して、それからは手術したり抗がん剤やったりで、調子が良くなったり悪くなったりの繰り返しで、その間も私は部活ばっかりで、亡くなった高3のときは受験勉強ばっかりで、あれ?って。なんでママにもっと時間使ってあげられへんかったんかなって。才能も無ければプロになりたいって夢があるわけでもないし、そんなに頑張って音楽なんてやる必要あったかなとか、ママを蔑ろにしてまで大学とか入る必要あったかなって何回も後悔したし、ママのこと抜きにしても大学四年間は辛いことがめちゃくちゃあったし、部活でもそうで、もう辞めたいって何回も思ったし、音楽以外でもっと有意義なことがあったんじゃないかとも思ったし…

そんなこと色々考えながら舞台に立ったんだけど、途中ちえちゃんが演奏聴きながら泣き出して、こんな風に音楽やってる姿をみて成長を感じてくれてる人がいるんだって、それ見て私も泣きそうになって、そのタイミングでもっと周りを見渡したら、大学生になってから出来た友達とか、中学から私のことを支え続けてくれた友達とか、部活で優しくしてくれた先輩・後輩・同期たちがわたしの方を見てくれていて、わ、なんか、後悔したこともあったけど、音楽やっててよかったんだなって思ったし、ママには観てもらえなかったけど、それでもこんな風に大切な人たちに囲まれて演奏できるってなんて幸せなんだろうと思った。

そしてこんな自分があるのは、バンドメンバー含めて、過去から今までわたしに関わってくれた人たちがいたからで、いまそんなみんなにとってもとっても感謝しています。

けもなれでがっきーが「お母さんじゃないけどお母さんみたいな人とまた飲む約束した、飲み友達と一晩中ゲームして朝コーヒーを一緒に飲んだ。そういうのを大切にしてたら1人じゃないってことじゃないかな。」って言ってたの、いまになってとっても沁みるな。わたしは1人じゃなかった。

 

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